■φ形式の算法(その17)

 小梁修先生(埼玉大学)が直観幾何学研究会(熊本)において

[1]同じ円に内接するいくつかの正多角形

[2]同じ球に内接するいくつかの正多面体

の不可思議な関係について熱弁熱演.

 計算は面倒だから[2]の結果のみを紹介すると,

「同じ球に内接する小星形12面体と大12面体の体積比は1:φ」

「同じ球に内接する小星形12面体と大12面体の表面積比は1:φ」

 その中で使われている計算がまさにφ形式の算法であって,

  φ+2=φ^2+1=φ√5

便宜のためこれをkとおいて,正12面体・正20面体の諸計量を求めると,上の結果が得られる.

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[1]同じ円に内接するいくつかの正多角形

 1辺の長さ1の正五角形の4頂点を選び,対角線2本を交差させるようにひく.交点はそれぞれの対角線を黄金比に内分するので,長さφの対角線は長さ1の線分と長さ1/φの線分に分けられる.これらをそれぞれa,bとする.

 次に,対角線の交点と残った頂点を線で結ぶ.この線分の長さをcとする.菱形が二等分されることになるが,菱形の短い方の対角線の長さがcである.このとき,a^2+b^2=c^2が成り立つ.

  a^2+b^2=1+1/φ^2=(10−2√5)/4

  c=2sinπ/5

  a:白,b:黄,c:水色

  a:1辺の長さ1の正五角形の辺の長さ=半径1の円の半径

  b:半径1の円に内接する正十角形の辺の長さ

  c:半径1の円に内接する正五角形の辺の長さ

であるから,同じ円に内接する正五角形と正十角形の関係でもある.

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