正四面体の各面上に各面が直角二等辺三角形の正三角錐を4つ貼り付けると,各側面に対角線が1本ずつ入った立方体ができる.その側面を正四面体が対角線をもった正方形に退化したものと考えて,さらに裏側も考えれば5+6+5=16個の正四面体状胞体が集まった正16胞体の胞心模型になる(5ピース).
中川宏さんの解説によると,4次元正24胞体を作るときにできる切れ端3個で,正八面体の8等分体=4次元正16胞体の3次元投影模型のパーツができる.
これらをうまく蝶番で繋ぐと正16胞体の点心模型(正八面体の外観)から胞心模型(立方体の外観)2個へ変化する数学おもちゃ(mathemagic)ができる.
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【補】バナッハ・タルスキーの可算分解合同定理
1924年,バナッハとタルスキーは,球を可算個の小片に分割し,再結合させると元と同じ大きさの2つの球を作ることを示しました.したがって,元と同じ球体を好きな個数だけ作ることができることになります.
このあまりにも奇妙な結論からパラドックスと呼ばれますが,れっきとした現代数学の定理です.数学が「無限」を扱うようになったために生ずる奇妙な定理なのですが,バナッハ・タルスキーの定理は「選択公理」を仮定しないと証明できないのです.
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