■ウィア・フェラン泡(その64)

 ねじれ重角錐に対する定式化はできているのだが,ねじれ重角錐台に対してはそれがなされていない.もっと悪いことに,空間充填図形であるという条件も欠いている.

 5^126^2型のねじれ重角錐台は一意には決まらない.実はこの問題では,球に外接し,さらに球の中心と各面の重心を結ぶ直線がその面と直交するという条件をつけないと解けないらしい(リンデレーフの必要条件).内接球との接点は五角形面の重心なのである.

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【1】ゴールドバーグの14面体の計量

 ねじれ重角錐(n^25^2n)の重心を(0,0,0),単位球が内接するとして,五角形の頂点をA,辺CDが正n角形と組み合わさる辺とします.そして,空間座標を

  A(0,y3,z3)

  B(−x2,y2,z2)

  C(−x1,y1,1)

  D(x1,y1,1)

  E(x2,y2,z2)

また,放射線の中心を

  F(0,0,z0)にとります(z3=−z2).

5角形面の重心は

  G(0,Y,Z)

  Y=(2y1+2y2+y3)/5,Z=(2z1+2z2+z3)/5

で与えられます.Y^2+Z^2=1.

 これら5点をx=0平面上に投影すると

y1/(z0−1)=y2/(z0−z2)

=y3/(z0−z3)=Y/(z0−Z)=Z/Y

 また,(0,(y2+y3)/2,0)もx=0平面上にあるので,∠OFA=θとすると

y1/(z0−1)=y2/(z0−z2)

=y3/(z0−z3)=Y/(z0−Z)=Z/Y

=(y2+y3)/2z0=tanθ

より,

  z0=1/sinθ,Y=cosθ,Z=sinθ

 また,z=0平面上に投影すると,(x2/2,(y2+y3)/2,0)も統制されるので,

  x1/y1=x2/y2=tan(π/n)

  x2/(y2+y3)=tan(π/2n)

 さらに,x=0平面上の投影図より(これはY^2+Z^2=1と同じかもしれないが)

  y1^2=(Y−y1)^2+(Z−1)^2

より,

  y1=(1−sinθ)/cosθ

  y2+y3=2z0tanθ=2/cosθ

  x2=(y2+y3)tan(π/2n)=2tan(π/2n)/cosθ

  y2=x2/tan(π/n)=2tan(π/2n)/cosθtan(π/n)

  y3=2z0tanθ−y2

  Y=(2y1+2y2+y3)/5

   =(2y1+y2+2z0tanθ)/5=cosθ

に代入すると

  2(1−sinθ)/cosθ+2tan(π/2n)/cosθtan(π/n)+2/cosθ=5cosθ

に帰着されます.これはcosθに関する4次方程式になり,数値解は

  n=4のとき,θ=28.20°

  n=5のとき,θ=26.56°

  n=6のとき,θ=25.66°

で与えられます.

  M. Goldberg: The isoperimetric problem for polyhedra, Tohoku Math. J. 40, 226-236(1935)

の数値解とは約1°の差がありますが,いまのところ原因不明です.

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