■ウィア・フェラン泡(その60)
2枚の六角形と12枚の五角形でできた14面体(ゴールドバーグの14面体)による空間充填について調べてみたが,見つけられなかった.
14面体というと,ケルビンの14面体,ウィリアムスの14面体の他に,重角錐台型(4^126^2)やねじれ重角錐台型(5^126^2)も考えられます.ねじれ重角錐台型はケルビンの14面体と区別するために「ゴールドバーグの14面体」と呼ばれています.ゴールドバーグの14面体はspace fillerではありませんが,ウィア・フェランの14面体にでてくる多面体です.
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【1】ゴールドバーグの14面体
五角形面 平均会合面数 空間分割
α−14面体(4^66^8) なし 5.143 可
β−14面体(4^25^86^4) あり 5.143 可
重角錐台 (4^126^2) なし 4.286 不可
ねじれ重角錐台 (5^126^2) あり 5.143 不可
m≦6−12/f<m+1
とおいて,どの面もm角形またはm+1角形からなる多面体をメディアル多面体と呼びます.6−12/fが多面体の平均辺数になっているからです.
f≧12のとき,メディアル多面体の構成は5^126^(f-12)になります.f=11のときf4=1,f5=10,f=13のときf5=12,f6=1となるのですが,f=11,13のときメディアル多面体は存在しません.
また,4≦f≦15(f≠11,13)のとき,メディアル多面体はちょうどひとつあります.とくにf=4,6,12に対し,メディアル多面体は正四面体,立方体,正12面体になっています.f≧16のとき,メディアル多面体は少なくとも2種類あります.
f=14のときメディアル多面体は5^126^2型のねじれ重角錐台(truncated double skew pyramid)となります.もし,ゴールドバーグの予想が正しければ,f=14のときの等周比の最小値はケルビンの14面体(4^66^8)ではなく,ゴールドバーグの14面体(5^126^2)によって達成されることになります.
M. Goldberg: The isoperimetric problem for polyhedra, Tohoku Math. J. 40, 226-236(1935)
によれば
等周比
4^66^8 150.123
5^126^2 143.89 (軸の傾き:26°50′)
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