■デューラーの八面体の設計(その28)

 ベクトルc↑とx軸のなす角φは

  cosφ=x/(d^2+1)^(1/2)=(d^2−1)/d(d^2+1)^(1/2)

で求められますが,このように菱形六面体の計量値はすべてパラメータdを用いて表すことができます.

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【1】計量

 扁長菱面体の8頂点のうち6つは同心球面上に位置しますが,菱形の鋭角が3つ集まって構成される2つの頂点はこの球には内接しません.すなわち,この菱面体の8つの頂点は2つの同心球面上(6つは内側の球面に,2つは外側の球面に)に位置することになります.

 菱形の鋭角が3つ集まって構成される2つの頂点

   (0,0,0),(2d+x,0,z)

までの距離は等しく

  R^2=(d+x/2)^2+(z/2)^2=(9d^2−3)/4

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 2つの頂点を切頂して球に内接する多面体を作ったわけですが,菱形六面体を球に内接するように切頂すると,新たに正三角形面が2面できます.

 そこで,切頂によってできる正三角形面

  (td,t,0),(td,−t,0),(tx,0,tz)

  (2d+x−td,−t,z),(2d+x−td,t,z),(2d+x−tx,0,z−tz)

のそれぞれの中心(重心)

  ((2d+x)t/3,0,zt/3)

  ((2d+x)(1−t/3),0,z(1−t/3))

を通る球の半径rを求めてみることにします.

 この球の半径は,

  r^2={(d+x/2)^2+(z/2)^2}(1−2t/3)^2

    =R^2(1−2t/3)^2

で与えられます.

 したがって,R/r比は 

  R/r=1/(1−2t/3)=3/(1−2t)

となりますが,ここでtは切頂比であって

  t=2(d^2−1)/(d^2+1)

と計算されます.

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【2】三角形面間距離

  R^2=(d+x/2)^2+(z/2)^2=(9d^2−3)/4

  r^2={(d+x/2)^2+(z/2)^2}(1−2t/3)^2

    =R^2(1−2t/3)^2

として

  2r

で与えられる.

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