■デューラーの八面体の設計(その26)

【1】菱形六面体の計量

 菱形の対角線の長さを2dと2,1<d<√3とします.この菱形の鋭角をθとおくと

  tan(θ/2)=1/d → θ=2arctan(1/d)

で表されます(60°<θ<90°).

 また,菱形の鋭角が3つ集まって構成される頂点を原点として,この菱面格子の3つの基本ベクトルを

  a↑=(d,1,0)

  b↑=(d,−1,0)

  c↑=(x,0,z),x^2+z^2=d^2+1

とおきます.

 次に,xとzをdで表してみることにしましょう.

  a↑・c↑=(d^2+1)cosθ=dx

より

  x=(d^2+1)/dcosθ

   =(d^2+1)/dcos(2arctan(1/d))

   =(d^2−1)/d

  z^2=d^2+1−x^2=3−1/d^2

 菱形六面体の8頂点は

  (0,0,0),(2d+x,0,z)

  (d,1,0),(d,−1,0),(2d,0,0)

  (x,0,z),(d+x,1,z),(d+x,−1,z)

ですが,このように菱形六面体の計量値はすべてパラメータdを用いて表すことができます.

 また,この中心座標は(d+x/2,0,z/2)で与えられます.

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【2】菱形六面体の投影面のアスペクト比

[1]投影面1

 縦長は2,また,a↑+b↑=(2d,0,0)とc↑=(x,0,z)のなす角をθとすると,

  tanθ=z/x

  sinθ=z/(x^2+z^2)^1/2=z/(d^2+1)^1/2

 求める横長は,x^2+z^2=d^2+1より

  2dsinθ=2dz/(d^2+1)^1/2

[2]投影面2

  縦長は2dsinθ,また,a↑+b↑+c↑=(2d+x,0,z)とc↑=(x,0,z)のなす角をθとすると,

  (2d+x)x+z^2=2dx+x^2+z^2={(2d+x)^2+z^2}^1/2・{x^2+z^2}^1/2cosθθ

 求める横長は

  {(2d+x)^2+z^2}^1/2cosθθ

=(2dx+x^2+z^2)/{x^2+z^2}^1/2

 ここで,

  2dx=2(d^2−1)

  x^2+z^2=d^2+1より,

  {(2d+x)^2+z^2}^1/2cosθθ

=(3d^2−1)/(d^2+1)^1/2

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