4次元正多胞体の境界面をp,頂点に集まる面数をq,辺に集まる胞数をrとすると,
境界多面体 境界面p 頂点に集まる面q 辺に集まる胞r
5胞体 正4面体 3 3 3
8胞体 立方体 4 3 3
16胞体 正4面体 3 3 4
24胞体 正8面体 3 4 3
120胞体 正12面体 5 3 3
600胞体 正4面体 3 3 5
すなわち,4次元の6個の正多胞体とは,正5胞体(胞が4面体で各辺に3つの4面体が集まる),正8胞体(胞が立方体で各辺に3つの立方体が集まる),正16胞体(胞が4面体で各辺に3つの4面体が集まる),正24胞体(胞が8面体で各辺に4つの8面体が集まる),正120胞体(胞が12面体で各辺に3つの12面体が集まる),正600胞体(胞が4面体で各辺に5つの4面体が集まる)である.なお,頂点に集まる胞数は以下の通りである.
境界多面体 頂点に集まる胞 シュレーフリ記号
5胞体 正4面体 4 {3,3,3}
8胞体 立方体 4 {4,3,3}
16胞体 正4面体 8 {3,3,4}
24胞体 正8面体 6 {3,4,3}
120胞体 正12面体 4 {5,3,3}
600胞体 正4面体 20 {3,5,5}
なかでも正120胞体は中川宏さん一番のお気に入りの模型であるが,その理由は境界多面体が(正四面体や立方体ではなく)正12面体であるからである.今回のコラムでは,中川宏さんによる正24胞体の木工製作を取り上げるが,正24胞体の境界多面体は正八面体である.
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【1】4次元正24胞体の3次元投影(胞心模型)
正八面体の各面上に扁平な8面体を8つ貼り付けて,正方形面に対角線が2本ずつ入った立方八面体を作る.その正方形面を正八面体が対角線をもった正方形に退化したものと考えて,さらに裏側も考えれば9+6+9=24個の正八面体状胞体が集まった正24胞体になる(9ピース).
ところで,コラム「カンタベリー・パズルの木工製作(その2)」で紹介した適当な稜が蝶番でつながれた8つの立方体の輪は立方体(2×2×2)に折りたたむことができる.この折りたたみは輪にはならないものの繰り返してできるので,表の24面を裏返すと裏の24面が現れてくることを利用して観光地の写真を貼り付けてあるおみやげグッズもあるという.最も単純なリバーシブル多面体である.
4次元正24胞体の3次元投影(胞心模型)も同様の変身立体である.以下,連続回転する様子を掲げる.
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【2】4次元正5胞体の3次元投影(点心模型)
正四面体を重心で4分割した四面体4つにより,正四面体を作る.その正四面体全体を包む正四面体を考えれば,5つの正四面体状胞体よりなる正5胞体になる(4ピース).
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