■ウィア・フェラン泡(その24)
[1]デルタ充填
デルタ多面体は双子の正12面体を除くと,正三角錘,正四角錘,正五角錘,正三角柱に分解されるが,いろいろ試した結果,どの組み合わせもうまくいかないことがわかった.とはいってもすべての組み合わせについてしらみつぶしに検索したわけではないし,試行錯誤でそこまでやることは到底出来ない相談である.そこで,コンピュータで計算させることにした.
正四面体 → cosδ4=1/3,δ4=70.5288
正八面体 → cosδ8=−1/3,δ8=109.471
正二十面体 → cosδ20=−√5/3,δ20=138.19
△6面体 → δ4=70.5288
cosδ=−7/9,δ=141.058=2δ4
△10面体 → δ20=138.19
cosδ=(−5+4√5)/15,δ=74.7548
△14面体 → δ8=109.471
cosδ=−√2/√3,δ=144.736
cosδ=−√2/√3−1/6,δ=169.471
△16面体 → δ8=109.471
cosδ=−(√2−1)/√3,δ=103.836
cosδ=−2(2√2−1)/7,δ=121.494
△12面体の場合は3次方程式の解を必要とする.(この方程式とはx^2=zとおくと,z^4−21z^3+132z^2−320z+256=0であるが, (z−4)(z^3−17z^2+64z−64)=0
となって3次方程式に帰着される.ゆえに△12面体は定規とコンパスによって作図可能ではない.)
θ=1/3・arctan(24√237/881)
z=1/3{17−√97(cosθ+√3sinθ)}=1.66196
x=1.28917
より,△12面体の二面角は
δ=96.1982
δ=121.743
δ=166.441
これらすべての組み合わせについて
Σnδ=360
を満たす解を探索すると(正四面体,△6面体)×(正八面体)の組み合わせしかないことがわかった.デルタ多面体による空間充填は本質的に正四面体と正八面体の組み合わせのほかにはないのである.
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