■4n+1型素数(その15)
【1】円の場合
pを素数として,p=x^2+y^2を満たす整数x,yが存在するための必要十分条件は
p=1(mod4)またはp=2
であることは有名です.
たとえば,半径が√5の円,x^2+y^2=5は(1,2)より,無限に多くの有理数解をもつのですが,半径が√7の円,x^2+y^2=7では,
[5]x^2+y^2=7z^2をみたす整数(x,y,z)は存在しない
(証)x,y,zはどの2つの互いに素と仮定してよい.4n+3の数はa^2+b^2の形にならないことは簡単に示すことができる.
a=4k → a^2=0 (mod 4)
a=4k+1 → a^2=1 (mod 4)
a=4k+2 → a^2=0 (mod 4)
a=4k+3 → a^2=1 (mod 4)
したがって,a^2+b^2を4で割ったときの余りは0+0,0+1,1+0,1+1,7z^2を4で割ったときの余りは0,3にしかならないので,この主張が示されました.
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【2】楕円の場合
楕円の場合はどうでしょうか?
[6]2x^2+3y^2=z^2をみたす整数(x,y,z)は存在しない
2x^2=0,2 (mod4)
3y^2=0,3 (mod4)
2x^2+3y^2=0,1,2,3 (mod4)
z^2=0,1 (mod4)
互いに素な整数a,bに対する平方の和a^2+b^2は3で割れません.
a=3k → a^2=9k^2
a=3k+1 → a^2=9k^2+6k+1
a=3k+2 → a^2=9k^2+12k+4
より,a^2を3で割ったときの余りは0か1になります.0になるのはaが3の倍数のときです.
b^2に対しても同じことが成り立ちますから,a^2+b^2を3で割ると,余りは0+0,0+1,1+0,1+1にしかなりません.0+0はaもbも3の倍数であることに対応していて,仮定に反します.
2x^2=0,2 (mod3)
3y^2=0 (mod3)
2x^2+3y^2=0,2 (mod3)
z^2=0,1 (mod3)
x,y,zはどの2つの互いに素と仮定してよいので,この主張が示される.
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