■角柱と反角柱(その20)
【1】半立方体(hemicube)
n次元の立方体(頂点数2^n)のひとつおきの頂点において,そこと相隣る頂点全体を通る超平面で切り落として残る図形は半立方体(hemicube)と呼ばれる.たまたま,3次元では正四面体,4次元では正16胞体となるが,5次元以上ではそれほど簡単な図形ではない.
[Q]5次元以上では正多面体にならないことを示せ.
[A]頂点数はf0=2^n-1であるが,5次元以上ではn+1,2n,2^nと相異なる.
5次元の場合は,16個の正5胞体と10個の正16胞体で囲まれた立体(中心対称ではない)である.6次元になると,この図形12個と5次元の正単体32個で囲まれた図形である.
===================================
【2】半立方体の要素数
半立方体(n次元の超立方体において,ひとつおきの頂点(全体で2^n-1個)を結んでできる図形)の要素数を計算してみたところ,やはり,7次元までは個別にうまく計算できたものの8次元でゆきづまりました.n≧4では側面(1次元低い胞)が2種類現れて,次元を下げていってもf4以上で2種類の図形が複雑に絡み合うのが原因です.
3次元:(f0,f1,f2)=(4,6,4) (正四面体)
4次元:(f0,f1,f2,f3)=(8,24,32,16) (正16胞体)
5次元:(f0,f1,f2,f3,f4)=(16,80,160,120,16+10)
6次元:(f0,f1,f2,f3,f4,f5)=(32,240,640,640,192+60,32+12)
7次元:(f0,f1,f2,f3,f4,f5,f6)=(64,672,2240,2800,1344+280,448+84,64+14)
f2は正三角形,f3は正四面体,f4以上で2種類の形の各々の和
===================================