■デューラーの八面体の設計(その8)
菱形の対角線の長さを2dと2,1<d<√3とします.この菱形の鋭角をθとおくと
tan(θ/2)=1/d → θ=2arctan(1/d)
で表されます(60°<θ<90°).
A,B,Cを菱形六面体からデューラーの八面体を作るために必要な諸計量値とします.その内訳は,A,Bが菱形六面体を作るのに必要な計量値,Cとtが切頂に必要な計量値です.
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[1]榎本モデル
以前,デューラーの八面体の榎本説(72°説)は,球に内接するが無限入れ子の方に若干のずれがあったことをレポートした.おそらく72°→正五角形→ペンタクラムからの類推から無限入れ子になると誤解したのであろうが,実際,この切頂菱面体を黄金比切頂(0.618:0.382)すると球に内接する八面体ができる.
すなわち,球に内接するが,入れ子構造を持たない場合,
θ=72
A=38.1727
B=22.4555
C=47.2567
t=.618034
と計算されました.
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[2]宮本モデル
球に内接し,かつ,入れ子構造を持ち,8個の面がすべて合同な5角形の8面体であるためには,
d=√(13/7),t=3/5
であることが必要である.
この場合は無限入れ子構造をもつが,d=√(13/7)=1.36277という値に特別な意味を見出すことはできない.しかし,面白いことに1回の入れ子につき菱面体の大きさは1/√2の相似比で縮小される.
すなわち,球に内接し,かつ,入れ子構造を持つ場合
θ=72.5425
A=38.3288
B=21.8454
C=46.9113
t=.6
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[3]佐藤モデル
数学的にみて蓋然性があるもうひとつの候補が,外接球と内接球を同時にもつ双心多面体である.双心多面体という意味では朝鮮サイコロ・中国サイコロと同じである.
この計算は3次方程式に帰着されるため,定規とコンパスで作図可能ではない.
d^3+4d^2/√3−7d+4/√3=0
d=1.43929
この場合も[2]とは別の意味での無限入れ子構造を形成するが,その相似比は0.795512である.
すなわち,外接球と内接球を同時にもつ場合
θ=69.5822
A=37.5055
B=25.1381
C=48.7874
t=.697728
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