■ウィア・フェラン泡(その5)
1994年,アイルランドの物性物理学者,ウィアは合金構造をヒントにもっと面積が小さくなる解を発見しました.同じ体積の2種類の多面体による空間充填なのですが,不等辺五角形の面をもつ12面体(5角形12枚)と14面体(5角形12枚と6角形2枚)が1:3の割合で並ぶものです.
単位ブロック(平行移動だけで充填し得る形)を作るには,12面体2個と14面体6個を積み重ねた8個を1単位とする.8個で1単位というのは空間充填18面体の場合と同じで,cubic symmetryでは自然なことなのであろう.
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もちろん,この12面体は正十二面体ではありませんし,14面体もケルビンの14面体ではなく,ゴールドバーグの14面体と呼ばれるものです.そして,ウィアの空間充填では,12面体同士は接合せず,14面体に覆われる形になる.
近々,中川宏さんの手によってウィアの12面体・14面体の木工製作が進められると思いますが,物理模型としてその並び方がわかるという意味で価値のあるものになると思います.
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