■素数と無限級数(その7)

[4]c1x/logx<π(x)<c2x/logx  (チェビシェフ)

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【1】nと2nの間に素数がある

 1845年にフランスの数学者ベルトランは任意の数nと2nの間には少なくとも一つの素数pが存在する(n<p≦2n),同じことですが素数pの次の素数は2pより小さい(pk+1 <2pk )という予想を立てました.

 50年以上たって,ロシアの数学者チェビシェフがベルトランの仮説を証明しました.この証明は彼が実に18才のときだったそうですから,「栴檀は双葉よりの芳し」の諺のごとくです.チェビシェフの定理によって,素数の分布には何らかの秩序が存在していることになります.

 さらに,チェビシェフは1852年に,十分大きなxについてπ(x)/(x/logx)がc1=0.92129とc2=1.10555の間にあるという結果を得ています.

  c1x/logx<π(x)<c2x/logx

 チェビシェフの定理は,大きな数の場合,この近似値の誤差は11%以下であるというものですが,もちろん現実にはずっと小さいわけです.

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