あけましておめでとうございます.今年もHPで新年のご挨拶をすることにしました.最近は暗い話ばかりでしたが,少しは明るくなるでしょうか.今年もよろしくお願いいたします.
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【1】正多面体の巡礼
(1)正四面体の6個の辺の中点を結ぶと,正四面体の中に正八面体ができる.
(この正八面体の体積はもとの正四面体の1/2である)
(2)正八面体の12個の辺を黄金比で分割した点を結ぶと,正八面体の中に正20面体ができる.
(3)正20面体の20個の面の重心を結ぶと,正20面体の中に正12面体ができる.
(4)正12面体の8個の頂点を結ぶと,正12面体の中に正六面体ができる.
(5)正六面体の4個の頂点を結ぶと,正六面体の中に正四面体ができる.
(この正四面体の体積はもとの正六面体の1/3である)
ここから(1)に戻り,正多面体の相互関係が巡回して現れる.一番外側に辺の長さ1の正12面体をおくと,その内部に辺の長さφの立方体,その中に辺の長さφ√2の正四面体がはいる.この双対は正四面体の中に正八面体,正八面体の中に正20面体がはいるもので,この関係は外側にも内側にも無限に続くことになる.
正12面体>立方体>正四面体>正八面体>正20面体
ところで,PとQを正多面体としてPがQに含まれるとき,体積比が最大となるPとQの組み合わせ方になっているのは(2),(4),(5)であって,(1),(3)は内接する最大の正多面体の組み合わせではない.それでは内接する最大の正多面体という相互関係だけで巡回することはできないだろうか?
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【2】最大巡回
PとQの組み合わせ方によって,全部で20通りの場合があるが,そのうち14通りについては解決済みである.
Q\P T C O D I
T ○ ○ ○
C ○ ○ ○ ○
O ○ ○ ○
D ○ ○ ○
I ○
正12面体>立方体>正四面体
正八面体>正20面体
は解決済みであるから,
(1)正八面体>正20面体?正12面体>立方体>正四面体
(2)正12面体?正八面体>正20面体?立方体>正四面体
(3)正12面体>立方体?正八面体>正20面体?正四面体
(4)正12面体>立方体>正四面体?正八面体>正20面体
などが考えられる.
(1)のD in Iは未解決.(2)のO in Dは解決済みであるが,C in Iは未解決.(3)のO in Cは解決済みであるが,Y in Iは未解決.(4)のO in Tは解決済み.したがって,
正12面体>立方体>正四面体>正八面体>正20面体
はすべて解決済みであるが,正20面体から正12面体に戻ることができないので最大巡回とはならない.
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I行で解決済みなのはO in Iだけであるから,正20面体>正八面体は切り離すことができない.また,D列で解決済みなのはD in Cだけであるから,立方体>正12面体も切り離さないでおく.
そこで,
正20面体>正八面体
立方体>正12面体
正四面体
の組み合わせを考えてみたのだが,たとえば,
正20面体>正八面体>立方体>正12面体>正四面体
では正四面体から正20面体に戻ることができないので最大巡回とはならない.
他の5通りの組み合わせでもうまくいかないところをみると,体積比が最大となるような巡回は不可能と思われるのであるが,それを確認するためにはコンピュータプログラムを書いて虱潰しにあたってみるしかないだろう.次回の宿題としたい.
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