■基本単体の二面角(その9)
τ8の240個の点はE8型の単純リー代数の240個のルート格子で実現されます.また,τ24の196560個の点はリーチ格子の原点から一番近い点の集合として得られることが知られています.
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まず,3次元の場合,単位球のまわりに面心立方格子状に単位球を置いた場合の接触点
1/√2(±1,±1,0)
1/√2(±1,0,±1)
1/√2(0,±1,±1)
を考えてみると,これら12個の相異なる2点に対応するベクトルの内積は,−1,±1/2,0のいずれかであり,したがって,その間の角度(球面距離)は60度以上となりますから,これらの点で接するように12個の単位球を置くことができます.したがって,3次元ユークリッド空間において,1つの単位球に同時に接触することのできる単位球の最大個数τ3≧12は直ちにわかります.
4次元の場合はどうなるでしょうか? 24個の面心立方格子状配置の接触点
1/√2(±1,±1,0,0)
1/√2(±1,0,±1,0)
1/√2(±1,0,0,±1)
1/√2(0,±1,±1,0)
1/√2(0,±1,0,±1)
1/√2(0,0,±1,±1)
で重ならないように置けるので,τ4≧24は明らかです.
8次元になると面心立方格子に十分な隙間ができるので,112個の面心立方格子状配置の接触点
1/√2(0,・・・,±1,0,・・・,±1,0・・・) (±1の個数は2つ)
と128個の隙間の点
1/√8(±1,±1,±1,±1,±1,±1,±1,±1) (+の個数は偶数)
に同じ大きさの球が詰め込み可能になります.
8次元の球の最大接触数τ8については,τ8の240個の点はE8型の単純リー代数の240個のルート格子で実現されます.さらに,この詰め込みの断面が6次元と7次元のもっとも効率のいい格子状詰め込みを与えてくれます.
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