■空間充填四面体の木工製作(その2)

  GOLDBERG M.: the infinite families of tetrahedral space-filler, J. Combinat. Theory A16(1974), 384-354

には空間充填四面体が5種類紹介されている.しかし,それは5種類(あるいは有限個)しかないという意味ではなく,空間充填四面体は無数にあることが知られている.今回のコラムではこのことについて解説したい.

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【1】無限系列(1)

 正三角柱の3稜をA稜,B稜,C稜とする.A稜に3aの等間隔で点を打っていく.B稜にも3aの等間隔でしかし出発点をaだけずらして点を打っていく.C稜にも3aの等間隔でしかし出発点を2aだけずらして点を打っていく.これらの点を結んでできる四面体はすべて合同な空間充填四面体になる.

 aの値は任意にとれるので,空間充填四面体は無限に存在することになる.

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【2】無限系列(2)(3)

 無限系列(1)には2分割して合同になる分け方が2通りある.したがって,空間充填四面体には3通りの無限系列が存在することになる.論文にある5種類のうち3種類はこれらの無限系列に属する空間充填四面体である.

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【3】まとめ

 工藤の三角錐は無限系列(1)に属し,3個組み合わせると正三角柱ができる.なお,S1は工藤の三角錐(2/24立方体),S2は1/24立方体,S3は1/12立方体,H1は鼈臑(べつどう)である.

 鼈臑(べつどう)は単位立方体[0,1]^3の1≧x≧y≧z≧0なる部分である.すなわち,1/6立方体であって,秋山仁先生によりテトラドロンと名付けられている.H14個(2対)で工藤の三角錐になり,それを組み合わせると正三角柱ができる.

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