■素数と素因数分解(その8)
古代ギリシャ人はn=2,3,5,7のとき,2^n−1が素数になることを知っていました.nが素数でないときには素数を表さないことは明らかですから,それとは逆に,すべての素数に対して,2^n−1は素数になると考えていたようです.
n=13,すなわち,2^13−1=8191も素数なのですが,1536年,ドイツの数学者レギウス(ウーリヒ・リーガー)はn=11は素数であるけれども,2^11−1は素数でないこと
2^11−1=2047=23・89
を発見しました.
1603年,カタルディはn=17,19の場合に素数であることを示しましたが,23,29,31,37に対しても素数であると述べました.n=31の場合は素数なのですが,n=23,37は素数ではないこと(フェルマー1640年),n=29は素数ではないこと(オイラー,1738年)が示されました.
メルセンヌはn=2,3,5,7,13,17,19,31,67,127,257に対しては素数であるが,それ以外のn<257に対しては素数にならない述べましたが,その主張の一部も間違いでした.
n=31は素数であること(オイラー,1750年),n=127は素数であること(リュカ,1876年)が確かめられましたが,n=61も素数であること(パヴシン,1883年)も確かめられ,メルセンヌ予想は間違いであることが証明されたのです.さらに,n=89も素数であること(パワーズ,1911年),n=107も素数であること(パワーズ,1914年),n=67は素数でないこと
2^67−1=193707721・761838257287
も判明しました.
1947年,n<258では
n=2,3,5,7,13,17,19,31,61,89,107,127
の場合に素数になることが完全に決定されました.1952年,ロビンソンがn=521,607,1229,2203,2281の場合もリストの含めなければならないことを示し,現在,50個ほどのメルセンネ素数が存在することが確認されています.
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