■オイラー・カタラン・フェルマー(その3)
【1】クンマーの定理
フェルマー方程式x^p+y^p=z^pが非自明解をもつためには,
Bk=0 (mod p)・・・Cauchy-Genocci判定基準
0<k<1/2(p−3),B1=0,・・・,Bp-3=0
正則素数pはBp-3までのベルヌーイ数Bkの分子を割り切ることのできない素数として定義されていて,クンマーの定理によって正則素数であるすべてのnに対してフェルマー予想が成立すること,たとえば,100以下の非正則素数は37,59,67ですべてですから,この3つの数以外では100までのnに対してフェルマー予想が正しいことが証明されたことになります.非正則素数は無限に多く存在し,691も非正則素数のひとつです.そして,クンマーの定理を精密化したもの(詳しく正確にいったもの)は岩澤理論と呼ばれています.
また,x以下の非正則素数の数をI(x)と記すと
I(x)/π(x)〜1-exp(-1/2)=0.39346・・・
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【2】吾郷・ジュウカ予想
pが素数であれば,そのときに限って
pBp-1+1の分子=0 (modp)
これと同等な予想として,pが素数であれば,そのときに限って
1^p-1+2^p-1+3^p-1+・・・+(p−1)^p-1+1
はpで割り切れる.
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【3】おまけ
カタラン予想は,ワイルスがフェルマー予想を証明したときのほどの興奮はなく解かれました.
なお,1975年,エルデスとセルフリッジは連続する整数の積は整数のベキでないこと,すなわち
y^q=x(x+1)・・・(x+p−1)
はすべてが>1である整数解(x,y,p,q)をもたないことを証明しています.
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