■菱形十二面体の黄金化と菱形三十面体の白銀化(その5)

 凸24面体は凹60面体にはぴったりはまりこむのに対して,凸60面体の凸部は凹24面体にははまりこまないようです.今回のコラムでは凹24面体と凸60面体の二面角関数を求めて,二面角δの変化を調べてみることにします.

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【1】二面角関数

 凹24面体の二面角関数は

  δ6=π/2

  tanθ=(α^2−1)^1/2

として,

  concaveδ24=2π−δ6−2θ

 それに対して,凸60面体の二面角関数は

  tanδ12=−2

  tanθ=(β^2(5−2√5)−1)^1/2

として,

  convexδ60=δ12+2θ

で与えられます.

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【2】二面角関数のグラフ

 concaveδ24(緑),convexδ60(黄)のグラフを描いてみます.α=φ,β=√2のとき両者は一致しませんが,区間[1.5,1.6]に交点があることがわかります.

 この交点は

  2π−π/2−2arctan(α^2−1)^1/2=arctan(−2)+2arctan(β^2(5−2√5)−1)^1/2

にて,α=β=ωとして求めることができます.

 大雑把に数値計算してみると,

  ω=1.5453

が近似解となり,このとき二面角は

  2π−π/2−2arctan(ω^2−1)^1/2=arctan(−2)+2arctan(ω^2(5−2√5)−1)^1/2

 =170.645°

となります.このことは対角線の長さの比がωの菱形を用いた凹24面体,凸60面体はぴったりはまりこむを意味しています.

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