凸24面体は凹60面体にはぴったりはまりこむのに対して,凸60面体の凸部は凹24面体にははまりこまないようです.今回のコラムでは凹24面体と凸60面体の二面角関数を求めて,二面角δの変化を調べてみることにします.
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【1】二面角関数
凹24面体の二面角関数は
δ6=π/2
tanθ=(α^2−1)^1/2
として,
concaveδ24=2π−δ6−2θ
それに対して,凸60面体の二面角関数は
tanδ12=−2
tanθ=(β^2(5−2√5)−1)^1/2
として,
convexδ60=δ12+2θ
で与えられます.
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【2】二面角関数のグラフ
concaveδ24(緑),convexδ60(黄)のグラフを描いてみます.α=φ,β=√2のとき両者は一致しませんが,区間[1.5,1.6]に交点があることがわかります.
この交点は
2π−π/2−2arctan(α^2−1)^1/2=arctan(−2)+2arctan(β^2(5−2√5)−1)^1/2
にて,α=β=ωとして求めることができます.
大雑把に数値計算してみると,
ω=1.5453
が近似解となり,このとき二面角は
2π−π/2−2arctan(ω^2−1)^1/2=arctan(−2)+2arctan(ω^2(5−2√5)−1)^1/2
=170.645°
となります.このことは対角線の長さの比がωの菱形を用いた凹24面体,凸60面体はぴったりはまりこむを意味しています.
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