■n次元平行多面体数(その53)

 (その52)の問題はPxQ=RxSが単数を除いて一意に表されるかですが,それよりも易しい同じような問題はいくつでも考えることができます.たとえば,すべての辺と対角線の長さが与えられた集合{l1,l2,l3,・・・}が等しくてもP=Qにならないものはあるかなど.

 したがって,PxQ=RxSを考える前に,P=Q問題を整理しなければなりません.準正多面体自体はその対称性から(自己双対の場合と低次元の例外を除けば)重複はないと信じられています.

[Q]5次元以上で異なるワイソフ構成をもつが,同じ多面体P=Qであるものは存在するか?

は(その52)よりも簡単な問題で,直観的に存在しないといえるのですが,それですらちゃんとした証明は見たことがありません.(5次方程式以上では解の公式が存在しないのと類似の構造をもつので,解きやすいと思うが・・・)

 P=Qも解決していないのにPxQ=RxSはもっと難しくなるわけで,現状ではsuspendedです.同等か同等でないかの判定はできませんが,違うものとみなせば解は出せるので,あまりこだわらないでいまの知識でわかるものから求めていくしかありません.未解決の問題は残っているのですが,高次元離散幾何学の問題はこれまで全く手つかずの領域であったわけですから・・・

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