■黄金比の眠るほこら(その2)
昨日,
[参]五輪教一「黄金比の眠るほこら」,日本評論社
を通読.黄金比についてまとめられた書籍と思いきや,扱われているトピックスの範囲は実に広い.次の項目のリストをみればおわかり頂けるであろう.
芳賀折り,ケプラー三角形,オイラー線とチャップルの定理(これらはポンスレの閉形定理の最も簡単な場合として紹介されている),チャップルの定理と関連して,不定方程式x^2−y^2=2xyの整数解,御粥の定理,デカルトの円定理と安島・マルファチの問題の整数解,無理数の連分数展開,ペル方程式と最良近似分数,中国剰余定理と百五減算,二次曲線・二次曲面上の有理点,反転とアルベロス・シュタイナー環
===================================
[Q]半径が1の内接円に外接する二等辺三角形がある.二等辺三角形の等辺の長さが最小のとき,三角形の高さを求めよ.
ではどうなるだろうか?
[A]答えを先にいうと,高さはτ^2=2.618になる.正三角形よりわずかに背の低い二等辺三角形であるが,この二等辺三角形を2等分した三角形は3辺の長さ比が1:√τ:τの直角三角形(ケプラー三角形)として知られている.
ケプラー三角形には,ピタゴラスの定理と黄金比という数学的に重要なコンセプトが2つ含まれている.
===================================