■正三角形の整数三角形分割(その5)
(その4)の問題は,ヘロン三角形の問題でもある.
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【1】連続数のヘロン三角形
[Q]高さが12,底辺でない2辺の長さが13と15の三角形がある.三角形の底辺の長さを求めよ.
[Q]底辺の長さが52,底辺でない2辺の長さが51と53の三角形がある.三角形の高さを求めよ.
(13,14,15)というヘロン三角形は,既約で,3辺の長さの公差が1の等差数列であって,元祖(3,4,5)についで興味深いものである.その次に大きいのが(51,52,53)である.
a<b<cとしても一般性を失わない,
a=b−1,c=b+1
また,bを底辺としたときの高さをhとすると,三角形の面積は
S=bh/2,S^2=b^2h^2/4
ヘロンの公式より,2s=a+b+cとすると,三角形の面積は
S^2=s(s−a)(s−b)(s−c)
=(2a^2b^2+2b^2c^2+2c^2a^2−a^4−b^4−c^4)/16
=(a+b+c)(−a+b+c)(a−b+c)(a+b−c)/16
=3b^2(b^2−4)/16
これより
4h^2=3(b^2−4)
ここで,b=2mとおくと,
h^2=3(m^2−1)
であるから,ペル方程式h^2−3m^2=−3というペル方程式に帰着される.
これを解くと
(a,b,c)=(3,4,5),(13,14,15),(51,52,53),(193,194,195),(723,724,725),(2701,2702,2703),・・・が得られる.
また,b,h,mについては漸化式
an=4an-1−an-2
a,cについては漸化式
an=5an-1−5an-2+an-3
Sについては漸化式
an=14an-1−an-2
が得られる.
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