■ある無限級数(その7)

[Q]正三角形の頂点を中心とする円弧を描き,ルーローの三角形を作る.ルーローの三角形は正方形の内転形である.その正方形の辺の中点を中心とする円弧を描き,ルーローの四角形を作る.ルーローの四角形は正五角形の擬内転形である.その正五角形の頂点を中心とする円弧を描き,ルーローの五角形を作る.ルーローの五角形は正六角形の内転形である・・・.ルーローの正多角形は外側にいくほど大きくなるが,無限に大きくなるか?

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[A]

 正n角形の高さをHnで表すことにすると,

nが奇数のとき

  Hn=Rn(1+cos(π/n))=rn(1+1/cos(π/n)) 

nが偶数のとき

  Hn=2Rncos(π/n)=2rn

 また,偶数正n角形に内接するルーローのn−1角形の正n−1角形部分に関して

  Hn=2Rn-1cos(π/2(n−1))

ルーローの偶数n角形に擬外接する正n+1角形に関して

  Hn+1=2rn{1+(tan(π/n)/2)^2}^1/2+rntan(π/n)tan(π/(n+1))

が成り立つ.

 したがって

(1) Hn=2Rn-1cos(π/2(n−1))

Hn-1=Rn-1(1+cos(π/n))

→Hn/Hn-1=2cos(π/2(n−1))/(1+cos(π/n))

(2) Hn+1=2rn{1+(tan(π/n)/2)^2}^1/2+rntan(π/n)tan(π/(n+1))

Hn=2rn

→Hn+1/Hn={1+(tan(π/n)/2)^2}^1/2+tan(π/n)tan(π/(n+1))/2

 以上より,

  Hn+1/Hn-1={(4+tan^2(π/n))^1/2+tan(π/n)tan(π/(n+1))}cos(π/2(n−1))/(1+cos(π/n))

  Hn+1=H3ΠHi+1/Hi-1   (i=4,6,8,・・・,n)

  n→∞のとき,Hn+1/Hn-1→1

 [その7]の解は[その5]の解より小さくなることは前もって予測できるが,ΠHi+1/Hi-1は3.00に収束した.[その5]同様,上限があって

  ΠHi+1/Hi-1→H3×3.00

すなわち,最初の三角形H3のおよそ3倍を超えることはできないのである.

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