■パラメータ解? (その32)

【1】素数の分解

 Z(√−1)において,素数3は素元であるが,素数2,素数5は

  2=(1+√−1)(1−√−1)

  5=(2+√−1)(2−√−1)

と単数でない2つの数の積に分解される.

 Z(√−2)において,素数5は素元であるが,素数2,素数3は

  2=−(√−2)(√−2)

  3=(1+√−2)(1−√−2)

と単数でない2つの数の積に分解される.

 素数はいつ素元であり,いつ分解するのか?

 2次体Q(√d)には,各素数pに対して(0,1,−1)を値にもつクロネッカーの指標χ(p)があり,

  χ(p)=0   (分岐)

      =+1  (完全分解)

      =−1  (pは2次体でも素)

と定義されます.

 具体的には,Dを判別式として

  p|D → χ(p)=0

  p≠2 → χ(p)=(D/p)

  p=2 → χ(p)=(−1)^{(D^2-1)/8} 

のように計算されるのですが,

  p=2 → χ(p)=(−1)^{(D^2-1)/8} 

はd=1(mod4)のときのみに起って,右辺は第2補充法則によっています.

 たとえば,Q(√−1)=Q(i)の世界では,

  χ(5)=(−1/5)=1  (第1補充法則)

より,素数5は2つの相異なる素イデアルの積となり

  5=(2+i)(2−i)

と分解されるというわけです.

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