■ABCからabcへ
【1】ABC定理(メーソン・ストーサーズ定理)
A=P1^e1P2^e2・・・Pr^erのとき,相異なる素因子すべての積を
radA=P1P2・・・Pr
と定義する.
どの2つも互いに素ばA,B,Cが,A+B=Cを満たすとき
max(degA,degB,degC)<deg(radABC)
が成り立つ.
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【2】ビール予想(タイデマン・ザギエ予想)
x^p+y^q=z^r
たとえば,1^n+2^3=3^2(カタラン),2^5+7^2=3^4,7^3+13^2=2^9,2^7+17^3+71^2,3^5+11^4=122^2,17^7+76271^3=21063928^2,1414^3+2213459^2=65^7,9262^3+15312283^2=113^7,13^8+96222^3=30042907^2,33^8+1549034^2=15613^3などの指数p,q,rのどれかは2である.
x,y,zのどの2つも互いに素,p,q,rha3以上ならば,x^p+y^q=z^rを満たすものは存在しない
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【3】abc予想
a=p1^e1p2^e2・・・pr^erのとき,相異なる素因数すべての積を
rada=p1p2・・・pr
と定義する.たとえば,
rad(19800)=rad(2^33^25^211)=2・3・5・11
しかし,ABC定理の類似:どの2つも互いに素ばa,b,cが,a+b=cを満たすとき
max(|a|,|b|,|c|)<rad(abc)
は成り立たない.たとえば,反例(カタラン)
(a,b,c)=(1,8,9)
max(|a|,|b|,|c|)=9
rad(abc)=6
そこで,条件を緩めた
max(|a|,|b|,|c|)<(rad(abc))^N
なる整数(>1)が存在する
には反例も証明も知られていない.もし,abc予想が成り立つならば,n>3Nに対するフェルマーの定理
x^n+y^n=z^n
も成り立つ.
また,望月新一先生解決したと述べているのは,これを精密化した
max(|a|,|b|,|c|)<(rad(abc))^κ
は有限集合であるという,エステルレ・マッサー予想である.κ=1は無限集合であり,κ=1.5は13,κ=1.6は3つ,κ=2はひとつも知られていない.
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