■素数定理とエラトステネスのふるい(その10)
Fn=2^(2^n)+1
をフェルマー数をいいます.
F0=3(素数),F1=5(素数),F2=17素数),F3=257(素数),F4=65537(素数),F5=4294967297(非素数)
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【1】フェルマー数の素数性判定
命題:pがフェルマー数の約数ならば
p=1 (mod2^n+1)
であるを用いることにする.
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[1]F4=65537 (素数)
p≦√65537=256.0・・・までの素数がF4の素因数でないことを示す.命題よりp=1 (mod2^5)は奇数であることを考慮すると,p=32n+1型と書けるので,
p=33,65,97,129,161,193,225
が候補となる.33,65,129,161,225は素数でなく,97,193は65537の約数でない.
[2]F5=4294967297(非素数)
p≦√4294967297=65536.0・・・4
素因数となりうるのは p=64n+1型と書ける.素数であるのは
p=193,257,449,577,641,769
であるが,このうち,641がF5の約数になっている.
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[まとめ]Fn =2^2^n+1の形の素数をフェルマー素数といいます.F0 =3,F1 =5,F2 =17,F3 =257,F4 =65537257は素数であることがわかります.フェルマーはこの型の数がすべて素数だと勘違いしていて必ず素数を与える式として考え出されたのですが,n=5であっけなく破綻してしまいました.
F5 =2^2^5+1=4294967297=641×6700417
この間違いを発見したのはフェルマーから約100年後のオイラーです.彼は約数641をあてずっぽうでみつけたのでも,2,3,5,7,・・・と割っていって執念で見つけたのでもありません.オイラーはFn が合成数であるならば,それはあるkに対してk2^n+1 +1であることを知っていて,F5 の中の因数641=10・2^6 +1を見つけたのです.2015年現在でも,n=0,1,2,3,4の5個以外にフェルマー素数はみつかっていません.はたして本当に存在するのでしょうか?
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