■ブレットシュナイダーの公式(その19)
2本の対角線の長さが与えられた四角形の面積は
S=1/2・d1d2sinφ
であるから,面積が最大となるのは対角線の交角がπ/2のときである.
この条件で4辺の長さがa,b,c,dの四角形をうまく構成することを考える.
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a^2=d11^2+d22^2
b^2=d11^2+d21^2
c^2=d12^2+d21^2
d^2=d12^2+d22^2
d1=d11+d12,d2=d21+d22
となるd11,d12,d21,d22の解があるかどうかという問題に帰着される.
さらに,直角に限らない場合は
a^2=d11^2+d22^2−2d11d22cosφ
b^2=d11^2+d21^2+2d11d21cosφ
c^2=d12^2+d21^2−2d12d21cosφ
d^2=d12^2+d22^2+2d12d22cosφ
d1=d11+d12,d2=d21+d22
この問題はすべての辺と対角線の長さの2乗和の問題であって,単位円に内接する正n角形ではn^2隣ることはよく知られている.
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[Q]正n角形が半径1の円に内接している.すべての辺(n本)と対角線(n(n−3)/2本),合計n(n−1)/2本の長さの平方和(sum of squares)を求めよ.
[ヒント]n=4のとき,辺の長さ√2(4本)と対角線の長さ2(2本)である→平方和SS=16.n=6のとき,辺の長さ1(6本)と対角線の長さ√3(6本)と2(3本)である→平方和SS=36.
n=3のとき,辺の長さ√3(3本)→平方和SS=9.n=2のときは,直径の長さ2(1本)であるから,平方和SS=4.
[A]辺も含めてすべての対角線の長さの平方を合計する場合,n個の頂点をもつのでn×SSといきたいところであるが,nが偶数のときは直径を重複して数え上げるので,その分を差し引くと
n(n+2)−2n=n^2
[1]nが奇数のとき,SS=n^2
[2]nが偶数のとき,SS=n^2
nのパリティー(奇数か偶数か)によって違いを生じない.すなわち,nが偶数か奇数かのケースにわける必要はなく,しかも,コラム「正多角形の対角線の交点数」に掲げた交点数公式ほど荘厳でいかめしいものでもない.この美とエレガンス(気品)を鑑賞していただけたであろうか.
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