■置換多面体の空間充填性(その505)

 超立方体は各次元で空間充填形である.他の空間充填形として2胞角の和が2πになるのは,

[1]2α3+2β3=2π

[2]3β4=2π

[3]α8+2β8=2π

だけであることは,

 cosα=1/n,cosβ=−(n−2)/n

から証明される.

 これらは必要条件であるが,十分条件でもあり,実際にそれぞれの次元で空間充填形を構成することができる.

===================================

 [1]と[3]は2種類の多胞体による空間充填という意味では同じであるが,根本的に異なる点がある.それは[1]では平角を作ることが可能であり,実際に平行六面体を作ることができるが,[3]ではそれができないということである.

 すなわち,

  α3+β3=π

で,α32個とβ31個で平行六面体となる.しかし,α8とβ8ではそれができず,平行16胞体(8次元超立方体γ8)は構成不可能である.E8格子といえども,そのボロノイ領域は立方こうしにはならないのである.

===================================