■エジプト三角形の作図(その4)

 ピタゴラス三角形は無限にあり,その一般形にはいくつかの変形がありますが,m,nを整数,kを相似係数として

  a=k(m^2−n^2),b=2kmn,c=k(m^2+n^2)

が形も簡単で広く用いられています.

  {(n^2 −1)/2}^2+n^2={(n^2+1)/2}^2

  (n^2−1)^2+(2n)^2=(n^2+1)^2

のように文字を一つだけ使ったのでは,ピタゴラス三角形全部をもれなく表す公式は作れませんが,二つの文字を使った公式

  (m^2−n^2)^2+(2mn)^2=(m^2+n^2)^2

では全部を表すことができます.逆に,この式から4より大きい平方数は常に2つの自然数の平方の差として表されることがわかります.

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 (1を除く)奇数の平方数を2つの連続した整数の和として表すことによって,ピタゴラスの三つ組みを得ることができる.

  3^2=4+5→(3,4,5)→3^2+4^2=5^2

  5^2=12+13→(5,12,13)→5^2+12^2=13^2

  7^2=24+25→(7,24,25)→7^2+24^2=25^2

  9^2=40+41→(9,40,41)→9^2+40^2=41^2

 これは

  (2n+1)^2=4n^2+4n+1=(2n^2+2n)+(2n^2+2n+1)

  (2n+1)^2+(2n^2+2n)^2=(2n^2+2n)+(2n^2+2n+1)+(2n^2+2n)^2

=(2n^2+2n)^2+2(2n^2+2n)+1

=(2n^2+2n+1)^2

 一方,斜辺以外の辺が連続する整数になる場合は,

  m^2+(m+1)^2=2m^2+2m+1

でもいいかもしれないが,

  {(m−1)/2}^2+{(m+1)/2}^2=(m^2+1)/2

より,(m^2+1)/2が平方数となるmを求めればよい.

 この問題と類似の問題は,コラム「a^2+b^2=2c^2の幾何学的な解釈」でも扱った.

  m^2+1^2=2n^2

 答えは

  m=7→(3,4,5)

  m=41→(20,21,29)

  m=239→(119,120,169),・・・

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