■エジプト三角形の作図(その3)
3辺の長さ比が3:4:5の直角三角形は代表的かつ最小のピタゴラス三角形ですから,ピタゴラス三角形の大家族の元祖という意味で,エジプト三角形と呼ばれることがあります.ピタゴラス三角形のなかでも最も歴史的に由緒正しく最も象徴的な直角三角形なのです.面白いことに3:4:5の直角三角形は正方形の中にもみることができます.
今回のコラムではおまけとして,ケプラー三角形をとりあげてみます.
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天文学者のケプラーはその著書「宇宙の神秘」において,幾何学の2つの至宝と称してピタゴラスの定理と黄金比φをあげています.ピタゴラスの定理からは立方体,正四面体,正八面体,黄金比からは正十二面体と正二十面体が作られると考えて,そのように述べているのです.
3辺の長さ比が1:√φ:φの直角三角形はケプラー三角形として知られています.
1^2+x^2=φ^2 → x=√(φ^2−1)=√φ
ケプラー三角形には,ピタゴラスの定理と黄金比という数学的に重要なコンセプトは2つ含まれているというわけです.
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