■n=△+△+△(その7)
(Q1)△=□?,すなわち,三角数n(n+1)/2が完全平方数m^2となるnの値を求めよ.
(A1)n^2+n=2m^2
4n^2+4n+1=8m^2+1
(2n+1)^2=2(2m)^2+1
ここで,2n+1=p,2m=qとおくと
p^2−2q^2=1 (ペル方程式)
に帰着されます.
(p,q)=(3,2),(17,12),(99,70),(577,408),(3363,2378),・・・
→(n,m)=(1,1),(8,6),(49,35),(288,204),(1681,1189),・・・nは完全平方と完全平方の2倍を交互に繰り返します.
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(Q2)△+△=△を満たす整数解はあるか?
(A2)x(x+1)/2+y(y+1)/2=z(z+1)/2
両辺を8倍して2を加えると
(2x+1)^2+(2y+1)^2=(2z+1)^2+1
ここで,2x+1=X,2y+1=Y,2z+1=Z,1=Wとおくと
X^2+Y^2=Z^2+W^2
すなわち,□+□=□+□?という問題に帰着されますが,□+□=□+□に対しては,
(ab−cd)^2+(ad+bc)^2=(a^2+c^2)(b^2+d^2)
(ab+cd)^2+(ad−bc)^2=(a^2+c^2)(b^2+d^2)
より,恒等式:
(ab−cd)^2+(ad+bc)^2=(ab+cd)^2+(ad−bc)^2
がよく知られていて,ab−cd,ad+bc,ab+cdが奇数で,ad−bc=1を満たすものをみつける問題に帰着されたことになります.
ad−bc=1なる行列
J=[a,b]
[c,d]
をn乗した行列を
J^n=[A,B]
[C,D]
とすると,常にAD−BC=1が成り立ちますから,ab−cd,ad+bc,ab+cdが奇数となるもの,たとえば,
J=[3,2]
[1,1]
からスタートして2乗,3乗,・・・していきます.
すると,mod2でみて,
[1,0]と[1,0]
[1,1] [0,1]
が交互に現れますが,ab−cd,ad+bc,ab+cdが奇数となるのは
[1,0]
[1,1]
のみであることがわかります.
そこで,
[1,0] (mod2)
[1,1]
となるような任意の行列をひとつ選び,その奇数乗のときだけ採用することにして,
2x+1=ab−cd,2y+1=ad+bc,2z+1=ab+cd
なるx,y,zを求めると,△+△=△となります.
たとえば,
J=[3,2]→(x,y,z)=(2,2,3)
[1,1]
J^3=[41,30]→(x,y,z)=(532,450,697)
[15,11]
J^5=[571,418]
[209,153]
→(x,y,z)=(103350,87362,135327)
など無限に解が得られます.
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(Q3)△+△=△+△を満たす整数解はあるか?
(A3)x(x+1)/2+y(y+1)/2=z(z+1)/2+w(w+1)/2
(2x+1)^2+(2y+1)^2=(2z+1)^2+(2w+1)^2
ここで,2x+1=X,2y+1=Y,2z+1=Z,2w+1=Wとおくと
X^2+Y^2=Z^2+W^2
すなわち,□+□=□+□?という問題に帰着されます.
2x+1=ab−cd,2y+1=ad+bc
2z+1=ab+cd,2w+1=ad−bc
たとえば,
J=[3,2]→(x,y,z,w)=(1,5,4,3)
[1,3]
J^3=[45,58]
[29,45]
→(x,y,z,w)=(652,1853,1957,171)
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