デュドニー分割のカンタベリー・パズルの製作にはハトメ(swing-hinge)を用いるが,twist-hingeを用いた7ピースのカンタベリー・パズルも知られている.この7ピース・パズルでは直角三角形のピースを6回ひねると正三角形から正方形に移すことができる.また,fold-hinge (piano-hinge)という二段重ね型の7ピース・パズルも知られている.
ハトメはローリングしながらスライディングする動作であるが,それに対して円環状のものが一斉に裏返しになるものはフリップ・フラップ(トンボ返り)運動となる.中川宏さんがハトメ運動とフリップ・フラップ運動の2タイプを製作してくれたので紹介したい.
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【1】穴あき正八角形→穴あき正方形パズル
同じ大きさの正方形の穴をもつ正八角形と正方形が移り合うというパズルです.これは次項のピタゴラスの定理パズルに応用できるものと思われます.
5角形のピースは等脚台形と直角三角形が接合したものですが,等脚台形の4辺の長さは1,2,1,2+√2,直角三角形の3辺の長さは2+√2,(2+2√2)^1/2+1,(2+2√2)^1/2−1,直角でない内角のうち大きい方はθ=69.4699°と計算されます.
[1]ハトメタイプ
[2]フリップフラップタイプ
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【2】ピタゴラスの定理パズル
ピタゴラスの定理を直接的に証明するために,中正方形を4等分したものと小正方形を組み合わせて大正方形を作るパズルです.その作り方は(その4)で説明したとおりです.
[1]ハトメタイプ
[2]フリップフラップタイプ
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