■ジップの法則・パレートの法則(その2)

 パレートはイタリア国民の富の80%が,その人口の20%に集中しているという驚くほどの格差を発見した.この法則はパレートの法則あるいは80/20の法則というあだ名を付けられた.

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【1】格差問題の分析

 人の所得は高低様々であり,かなりの程度の不平等性を有していると考えられます.個人所得高の分布がパレート分布にしたがうことを述べましたが,所得分布その他の経済現象の格差問題をパレート分布や対数正規分布,ローレンツ曲線,ジニ係数などを用いて分析を行うことができます.

 パレート分布の確率密度関数,f(x)=am/x^(a+1)において,aはパレート係数と呼ばれ,値が小さいほど格差があると解釈されます.一方,対数正規分布の確率密度関数においてσはジブラ係数と呼ばれ,この値が大きいほど分布の幅が広くなりますから,格差が大きいと考えることができます.

 また,所得の低い人から順に1,2,・・・nと番号をつけ横軸にとり,次に一番所得の低い人からi番目の人までの所得の合計を縦軸にしてグラフを描くと右上がりの曲線が得られます.この曲線をローレンツ曲線と呼びます.ローレンツ曲線は下に凸の曲線で,全員が同一所得の場合には直線になりますから,直線とローレンツ曲線の間の面積:area of concentration(集中度)は不平等を表す指数と考えられます.

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