■72の法則と115の法則(その2)

【1】72の法則

 たとえば,年率rの複利計算の公式は

  P=P0(1+r)^n,P0:元金,r:年率,n:年数

となる.P=2P0(元金の2倍)とすると,

  2=(1+r)^n

  log2=nlog(1+r)

  n=log2/log(1+r)

 r=0.06の場合,n=11.9≒12となるが,

  n≒72/r

で近似されるという近似式が「72の法則」である.

 年率がr=0.0785のとき

  n≒72/r

の近似値は正確な値と一致する.

 近似値であるから必ずしも正確ではないが,

   r    n=log2/log(1+r)  n≒72/r

  0.04   17.67            18

  0.06   11.9             12

  0.08   9.01              9

と違いは小さく,簡単で便利な近似法則になっていることがわかる.

 この法則がうまくいくのは0.72が2の自然対数に近いからである.

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【2】69の法則

  n=log2/log(1+r)

 rが小さいとき

  log(1+r)≒r,log2=0.693147

なので,上の式は

  n≒0.69/r

と書き換えることができる.

 したがって,元金が2倍になるのにかかる期間は,69の法則のほうが正確であるが,69を割るよりも72を割るほうが簡単だから72の法則が使われているのである.

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