■詐欺フィボナッチ数列(その3)
π≒6/5・φ^2
と近似できたが,eに対しても
e≒kφ^2,kφ^3,・・・
などの形の近似式を求めたい.
しかし,πe≒8では粗すぎるし,
exp(π)≒20+π
は使いにくい.
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[1]eの近似分数
an+1=(4n+2)an+an-1,bn+1=(4n+2)bn+bn-1
初期値をa1=1,a2=3,a3=19,b1=1,b2=1,b3=7とすると
an/bn→ e
となります.係数は整数ではありませんが,係数が次々に大きくなるので近似速度は速くなります.
n 1 2 3 4 5 6
an 3 19 193 2721 49171 1084483
bn 1 7 71 1001 18089 398959
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[2]πの近似分数
今から2000年以上も前の紀元前3世紀,アルキメデスは円に内接・外接する正96角形による計算から3・10/71<π<3・1/7,あるいは小数で表すと3.14084<π<3.142858よりπ=3.14という近似値を求めています.
円周率πについては22/7という近似分数が古くからよく知られていて,その上は355/113がよい精度をもっています.もうひとつの超越数の代表格である自然対数の底eの場合,これに相当するのは19/7,193/71ということになるのでしょう.
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[3]e≒kφ^2
223/71<π<22/7
19/7<e<193/71
分母が共通していますので,
π≒22/19・e
π≒223/193・e
とすると,
22/19・e≒6/5・φ^2
e≒57/55・φ^2
が得られます.
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