■スフェリコン(丸いサイコロ)

 頂角が90°の円錐を2つ作り,底面同士を貼り合わせる(重円錐).それを2つの頂点を通り平面で2等分する.その断面は正方形になるので,一方を90°回転させて,また貼り合わせる.これでスフェリコンの出来上がりである.

 スフェリコンの4つの辺は正八面体の12辺のうちの4辺に対応していて,ある方向から眺めると,1本の対角線をもった正方形に見える.

 スフェリコンをサイコロのように転がすと,くねくねと小刻みに動くが,全体としては一方向に転がる.実は,スフェリコンは穴をもたないメビウスの帯になっていて,単一の曲面をもつので,このような動きをするのである.丸いサイコロというわけである.

 中川宏さんに木から削り出せないか訊いてみたのであるが,旋盤が必要になるとのことであきらめた.

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 なお,頂角が60°の円錐を,頂点を通る平面で2等分すると正三角形の断面ができるが,それを120°ひねって貼り合わせた立体はスフェリコンの要にはうまく転がらない.

 底面の直径と高さの等しい円柱の正方形の断面を90°ひねって貼り合わせた立体ではどうなるだろうか?,

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