■フィボナッチの問題と・・・(その2)
60は2でも3でも4でも5でも6でも割り切れる(被整除性)ところから,メソポタミア文明では60進法の基数となった.それでは2で割ると1,3で割ると2,4で割ると3,5でで割ると4,6で割ると5余る数は何か.
もしも,中国剰余定理を使って計算するならば・・・
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x=1 (mod2)
x=2 (mod3)
x=3 (mod4)
x=4 (mod5)
x=5 (mod6)
を計算しよう.
x=x1+2x2+6x3+24x4+120x5とおいて,最初の式に代入する.→x1+2x2+6x3+24x4+120x5=x1=1 (mod2)→x1=1がこの合同式の解である.
→x=1+2x2+6x3+24x4+120x5を2番目の式に代入する.→1+2x2+6x3+24x4+120x5=1+2x2=2 (mod3)→2x2=1 (mod3)→x2=2がこの合同式の解である.
→x=5+6x3+24x4+120x5を3番目の式に代入する.→5+6x3+24x4+120x5=5+6x3=3 (mod4)→6x3=−2 (mod4)→x3=1がこの合同式の解である.
→x=11+24x4+120x5を4番目の式に代入する.→11+24x4+120x5=11+24x4=4 (mod5)→24x4=−7 (mod5)→x4=2がこの合同式の解である.
→x=59+120x5を5番目の式に代入する.→59+120x5=59=5 (mod6)
→この計算は不要であった.
中国剰余定理より連立合同式の解はx=59となる.
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[Q]7も含めればどうなるか.
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x=1 (mod2)
x=2 (mod3)
x=3 (mod4)
x=4 (mod5)
x=5 (mod6)
x=6 (mod7)
を計算しよう.
x=x1+2x2+6x3+24x4+120x5とおいて,最初の式に代入する.→x1+2x2+6x3+24x4+120x5=x1=1 (mod2)→x1=1がこの合同式の解である.
→x=1+2x2+6x3+24x4+120x5を2番目の式に代入する.→1+2x2+6x3+24x4+120x5=1+2x2=2 (mod3)→2x2=1 (mod3)→x2=2がこの合同式の解である.
→x=5+6x3+24x4+120x5を3番目の式に代入する.→5+6x3+24x4+120x5=5+6x3=3 (mod4)→6x3=−2 (mod4)→x3=1がこの合同式の解である.
→x=11+24x4+120x5を4番目の式に代入する.→11+24x4+120x5=11+24x4=4 (mod5)→24x4=−7 (mod5)→x4=2がこの合同式の解である.
→x=59+120x5を5番目の式に代入する.→59+120x5=59=5 (mod6)
→この計算は不要であった.(ここまではその36と同じ)
→x=59+120x5を6番目の式に代入する.→59+120x5=6 (mod7)→120x5=−53 (mod7)→x4=3がこの合同式の解である.
中国剰余定理より連立合同式の解はx=419となる.すなわち,
419=60・7−1
は2,3,4,5,6,7で割ったとき,n−1が余りとなる.
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[まとめ]ここでは面倒な計算を行ったが,実はこの問題は計算してはいけないものである.
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