■置換多面体の空間充填性(その457)

 このシリーズの流れを振り返ってみたい.

[1]大域幾何学

  n−1次元までの多胞体のk次元胞を既知として,n次元多胞体のk次元胞を求める.

[2]局所幾何学

  n−1次元までの多胞体のひとつの頂点の周りに集まるk次元胞を既知として,n次元多胞体のひとつの頂点の周りに集まるk次元胞を求める.

[3]局所幾何学+k次元胞の分別数え上げ,すなわち,多角形については「形状は問わないが何らかの多角形を合算して何枚」という数え方である.

[4][3]によって[1]と同じ情報が得られるようになった.

[5]それでは,n−1次元までの多胞体の分別面数を既知として,n次元多胞体の分別枚数を求めることは可能だろうか?

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[1]{33333}(100001)

 {3333}(00001)→三角形20,四面体15

 {333}(0001)→三角形10,四面体5

 {33}(001)→三角形4,四面体1

 {3}(01)→三角形1

 {}(1)→三角形0

 {3333}(00001)→7

 {333}(0001)×{}(1)→21

 {33}(001)×{3}(10)→35

 {3}(01)×{33}(100)→35

 {}(1)×{333}(1000)→21

 {3333}(10000)→7

 もちろん,三角形数は

  20・7+10・21+4・35+1・35=525  (NG)

  20・7−10・21+4・35−1・35=105  (NG)

とはならない.

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 {3333}(00001)→(6,15,20,15,6,1),7

 {333}(0001)×{}(1)→(5,10,10,5,1,0),21

 {33}(001)×{3}(10)→(4,6,4,1,0,0),35

 {3}(01)×{33}(100)→(3,3,1,0,0,0),35

 {}(1)×{333}(1000)→(2,1,0,0,0,0),21

 {3333}(10000)→(1,0,0,0,0,0),7

42,

105,105

140,210,140

105,210,210,105

42,105,140,105,42

7,21,35,35,21,7

1列目:三角形140

2列目:四角形210

3列目:三角形140

ここでは,

[1]{3,3}(0001)の∂∂∂すなわち辺の×{}(1)で新たに生じるのは四角形面である.

[2]{3}(001)の∂∂∂すなわち点×{3}(10)で新たに生じるのは三角形面である.

1列目:四面体105

2列目:三角柱210

3列目:三角柱210

4列目:四面体105

ここでは,

[1]{3,3}(0001)の∂∂すなわち三角形面の×{}(1)で新たに生じるのは三角柱である.

[2]{3}(001)の∂∂すなわち辺×{3}(10)で新たに生じるのは三角柱である.

[3]{3}(01)の∂∂すなわち点×{3}(100)で新たに生じるのは四面体である.

1列目:5胞体42

2列目:四面体柱105

3列目:三角柱柱140

4列目:四面体柱105

5列目:5胞体42

[1]{3,3}(0001)の∂すなわち四面体の×{}(1)で新たに生じるのは四面体柱である.

[2]{3}(001)の∂すなわち三角形面×{3}(10)で新たに生じるのは???である.

[3]{3}(01)の∂すなわち辺×{3}(100)で新たに生じるのは四面体柱である.

[4]{3}(1)の∂すなわち点×{3}(1000)で新たに生じるのは5細胞体である.

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(まとめ)結局,大域情報には局所情報が必要になる.

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