■鏡映とエンゲルの空間充填38面体

 エンゲルが空間充填38面体を発見した方法は

[1]立方体には対称面が9枚存在する.相対する辺を含む長方形面6枚と中心を通って面に平行な互いに直交する正方形面3枚,合計9枚である.

[2]立方体の1/48(あるいは1/6)の基本単体領域内の点を対称面を直交二等分面として鏡映変換する.

[3]4回以内の鏡映変換によって得られる点を求める.

である.

 こうして得られる多面体は通常面の途中に他の多面体の面がくるnon-face^to face arrangementの空間充填多面体となるが,とくに[3]の意味について解説したい.

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【1】平面の合同変換

 平面の合同変換は3回以内の鏡映の合成として表すことができる.

[1]鏡映1回→鏡映(不動点は鏡映軸)

[2]鏡映2回→平行移動(不動点はなし)

[3]鏡映2回→回転(不動点は回転中心)

[4]鏡映3回→すべり鏡映(不動点はなし)

 こうして,辺の途中に他の多角形の頂点がきたりするが,畳の敷き方では(1点に4枚の畳が集まるよりも)その方が安定である.

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【2】空間の合同変換

 空間の合同変換は4回以内の鏡映の合成として表すことができる.

[1]鏡映1回→鏡映(不動点は鏡映面)

[2]鏡映2回→平行移動(不動点はなし)

[3]鏡映2回→回転(不動点は回転軸)

[4]鏡映3回→すべり鏡映(不動点はなし)

[5]鏡映3回→回転鏡映(不動点は中心点)

[6]鏡映4回→らせん運動(不動点はなし)

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