■4次元の雪,5次元の雪,6次元の雪,・・・(その20)

 ルート系のグラフ表現,表記法を日本ではディンキン図形と呼ぶのが習慣であるが,シュレーフリ・ディンキン図形,ウィット・ディンキン図形などのとも名で呼ばれることもある.奇妙なことにディンキン図形はいろいろな場面に現れ,何度も再発見されているようだ.

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【1】コクセター・ディンキン図形

 いろいろな流儀があるが,ワイソフ構成において1を◎,0を○で表し,隣接するもの同士を線分で結んだ記号.

 対称群を生成する鏡と蝶番からなる万華鏡において,点が鏡を,線が蝶番を表している.1次元について1つの点すなわち鏡がコクセター・ディンキン図形に追加される.

 また,線分の下の記された数字は鏡と鏡がなす角度を表す.たとえば3はπ/3=60°,5はπ/5=36°を意味する.数字が省略されているときは3すなわち60°で結ばれている,また,端点同士はπ/2=90°で結ばれている2が省略されているとみなす.

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 コクセター図形における超平面はn次元球の中心を通るものであり,基本単体の球面投影図の中心角(球面距離)がシュレーフリ記号に対応することはわかりやすい.

 しかし,これはsimple chainの場合であって,3本のsimple chainがある場合の基本単体はどうなっているのであろうか? たとえば,これは3つの基本単体がひとまわり大きな単体(正八面体の1/16など)を作るようなケースに相当するのだろうか? 

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