■4次元の雪,5次元の雪,6次元の雪,・・・(その11)

【1】置換多面体の空間充填性

 切頂八面体(3次元置換多面体)では頂点に4桁の数字をラベルし,隣接する頂点(辺で結ばれる頂点)にはその互換となる数字をラベルする.たとえば1234に隣接する頂点には

  2143,1324,1243

がくる.これが多面体を取り囲むわけであるから,その頂点数は4!=24となる.

 置換多面体の空間充填性を最も簡単に説明するためには,全体を1次元あげて,n+1次元空間内のn次元超平面をとるとよい.ラベルされた数字を座標とみなすと,切頂八面体は3次元超平面

  x+y+z+w=10

として扱うことができる.

 これが3次元超平面をタイルすることがわかればよい.そこで(1,1,1,1)と直交する4ベクトル

  (1,1,1,−3),(1,1,−3,1)

  (1,−3,1,1),(−3,1,1,1)

を選び,平行移動させるのである.

 一般に,並進ベクトルは

  (x1,x2,・・・,xn)

  x1+x2+・・・+xn=0

  x1=x2=・・・=xn  (mod n)

となるようなn個のベクトルを選ぶことになる.

[1]正六角形の場合

  x+y+z=6

  (1,1,−2),(1,−2,1),(−2,1,1)

[2]切頂八面体の場合

  x+y+z+w=10

  (1,1,1,−3),(1,1,−3,1)

  (1,−3,1,1),(−3,1,1,1)

[3]4次元置換多面体の場合

  x+y+z+w+v=15

  (1,1,1,1,−4),(1,1,−4,1,1)

  (1,−4,1,1,1),(1,−4,1,1,1)

  (−4,1,1,1,1)

  x1=x2=・・・=xn=1  (mod n)

としてよさそうである.

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[1]正六角形の場合

  (1,1,−2),(1,−2,1),(−2,1,1)

を選び,平行移動させると,

 (1,2,3)→(2,3,1),(2,0,4),(−1,3,4)

 (1,3,2)→(2,4,0),(2,1,3),(−1,4,3)

 (2,1,3)→(3,2,1),(3,−1,4),(0,2,4)

 (2,3,1)→(3,4,−1),(3,1,2),(0,4,2)

 (3,1,2)→(4,2,0),(4,−1,3),(1,2,3)

 (3,2,1)→(4,3,−1),(4,0,2),(1,3,2)

より,

 (1,2,3)→(2,3,1)

 (1,3,2)→(2,1,3)

 (2,1,3)→(3,2,1)

 (2,3,1)→(3,1,2)

 (3,1,2)→(1,2,3)

 (3,2,1)→(1,3,2)

となって,6点がそれぞれ別の6点に移動している(空間充填図形).

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[2]切頂八面体の場合

  x+y+z+w=10

  (1,1,1,−3),(1,1,−3,1)

  (1,−3,1,1),(−3,1,1,1)

を選び,平行移動させると,

 (1,2,3,4)→(2,3,4,1)

 (1,2,4,3)→(2,3,1,4)

 (1,3,2,4)→(2,4,3,1)

 (1,3,4,2)→(2,4,1,3)

 (1,4,2,3)→(2,1,3,4)

 (1,4,3,2)→(2,1,4,3)

 (2,1,3,4)→(3,2,4,1)

 (2,1,4,3)→(3,2,1,4)

 (2,3,1,4)→(3,4,2,1)

 (2,3,4,1)→(3,4,1,2)

 (2,4,1,3)→(3,1,2,4)

 (2,4,3,1)→(3,1,4,2)

 (3,1,2,4)→(4,2,3,1)

 (3,1,4,2)→(4,2,1,3)

 (3,2,1,4)→(4,3,2,1)

 (3,2,4,1)→(4.3,1,2)

 (3,4,1,2)→(4,1,2,3)

 (3,4,2,1)→(4,1,3,2)

 (4,1,2,3)→(1,2,3,4)

 (4,1,3,2)→(1,2,4,3)

 (4,2,1,3)→(1,3,2,4)

 (4,2,3,1)→(1,3,4,2)

 (4,3,1,2)→(1,4,2,3)

 (4,3,2,1)→(1,4,3,2)

となって,24点がそれぞれ別の24点に移動している(空間充填図形).

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