■4次元の雪,5次元の雪,6次元の雪,・・・(その1)

 いまでは誰もが雪花(雪の結晶)が六角形であることを知っているが,最初にそのことを考えたのはケプラーであった.そして,ケプラーの結論は六角充填の効率性が形態形成に深く関連しているというものであった.

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【1】4次元の雪

 六角形の内角は120°であるが,これは辺と辺がなす角度である.したがって,4次元の六角形は面と面のなす角度が120°である立体であると考えることができる.

 六角柱は面と面のなす角度が120°であるが,すべての二面角が120°をなすわけではない.すべての二面角が120°をなす立体に「菱形12面体」がある.これは対角線の長さの比が1:√2の菱形12枚からなる多面体である.

 菱形12面体をはじめて発見したのはケプラーであるが,ケプラーは「菱形12面体」と称した.すべての二面角が120°をなすというのがその所以であろうが,菱形12面体が「4次元の雪」と呼ばれるのは,すべての二面角が120°をなす立体という理由だけではない.

[1]平行な辺が4組あり,これより4次元立方体の3次元投影図であると考えることができること

[2]平行六辺形が平面を充填することができるように,菱形12面体は空間充填図形であること,等々.

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