■円とルーローの三角形(その1)
直径100mの円のどの2点をとっても互いの距離は100mを超えることはない.平面における定幅図形(いかなる方向に関しても等しい幅をもっている図形)は円だけではなく、そのような形状は無数にある.
たとえば,1辺の長さ100mの正三角形を膨らましたルーローの三角形(3つの円弧からなる等辺円弧三角形)でも,領域内のどの2点をとっても互いの距離は100mを超えることはない.
定幅図形の中で最大の面積をもつものは円であり,最小の面積をもつものはルーローの三角形である.
円:π・50^2=7854
ルーローの三角形:5000(π−√3)=7048
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[Q]定幅図形の中で最大の面積をもつものは円であることを証明せよ.
[A]S=1/2∫(-π/2,π/2)r^2(θ)dθ
=1/2∫(-π/2,0)r^2(θ)dθ+1/2∫(0,π/2)r^2(θ)dθ
=1/2∫(π/2,0)r^2(θ-π/2)dθ+1/2∫(0,π/2)r^2(θ)dθ
=1/2∫(π/2,0){r^2(θ-π/2)+r^2(θ)}dθ
≦π・50^2 (∵ピタゴラスの定理)
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[1]円のまわりには6個の円を接触するように配置できますが,ルーローの三角形のまわりには7個のルーローの三角形を接触するように配置できます.
[2]一般に,3次元以上のd次元のとき,定幅で体積が最大のものはd次元球ですが,体積最小のものは解明されていません.
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