■n次元角錐の高さ(その3)

 コラム「和算にまなぶ(その3)」の定理は,4次元にも拡張することできることがわかったが,もうひとつの拡張する方向として,3次元の三角柱と三角錐,五角柱と五角錐にも成り立つことがわかっている.

 正12面体のひとつの頂点を原点に移すと,1辺の長さ2の正12面体の基本単体の座標は,

  a1=1,a2=√τ(τ^2+1)/5,a3=τa2

と表すことができる.

 あとはわかればよいのは,正12面体の高さではなく,角錐の高さHである.

 座標(a1,a2,a3,H)

 (0,0,0,0)との距離が2であるから,

  a1^2+a2^2+a3^2+H^2=4

  H^2=3−τ(τ^2+1)/5−τ^3(τ^2+1)/5

=3−τ(τ^2+1)^2/5<0

 3次元では存在するが,4次元では存在できないことがわかる.

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【補】正十二面体

 τ=(1+√5)/2とおくと,正十二面体は立方体の頂点(±1,±1,±1)と(±τ,±1/τ,0)の巡回置換で表される点,合計20点を結んでできる.1辺の長さ2/τ,外接球の半径√3.

 対角線の長さとその個数は

  L1=2/τ,N1=3

  L2=2,N2=6

  L3=2√2,N3=6

  L4=2τ,N4=3

  L5=2√3,N5=1

  V=20,K=1/3

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