■π=3とゆとり(その3)
【1】グレゴリー・ライプニッツ級数
1/(1+x)=1−x+x^2 −x^3 +・・・
これを項別積分すると
log(1+x)=x−1/2x^2 +1/3x^3 −1/4x^4 +・・・
が得られます。ここで、xをx^2 に置き換えると
1/(1+x^2 )=1−x^2 +x^4 −x^6 +・・・
これを項別積分して
arctanx=x−1/3x^3 +1/5x^5 −1/7x^7 +・・・
両辺にx=1を代入すると、グレゴリー・ライプニッツ級数
π/4=arctan1=1/1−1/3+1/5−1/7+・・・
が得られます。
グレゴリー・ライプニッツ級数が発見されたとき、この公式を変形すればπが有理数であることが証明できるのではないかという期待があったらしいのですが、もちろんそのようなことはありえません。円周率が無理数であり、したがって循環小数ではないことは、微分積分学の初歩的な操作によって証明されています。
フーリエ級数をご存じの方であれば、
x=2(sinx−1/2sin2x+1/3sin3x−・・・)
にx=π/2を代入すると
π/4=1/1−1/3+1/5−1/7+・・・
となり、再びグレゴリー・ライプニッツの級数の和が求まります。
同様にしてフーリエ級数展開より、
|x|=π/2−4/π(cosx+1/3^2 cos3x+1/5^2 cos5x+・・・)
x=0を代入すると
π2 /8=1/12 +1/3^2 +1/5^2 +1/7^2 +・・・
オイラーが得た値:ζ(2)=Σ1/n^2 =π^2 /6はこの式から次のようにして求まります。
1+1/2^2 +1/3^2 +1/4^2 +・・・
=(1+1/2^2 +1/4^2 +・・・)(1+1/3^2 +1/5^2 +・・・)=1/(1−1/4)・π^2 /8
=π^2 /6
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