■二項係数の偶奇性(その2)
パスカルの三角形のn行の奇数と偶数の割合を計算する.n→∞のとき,奇数と偶数の比は0に近づく.
もっと正確の評価すると,はじめのn行に現れる奇数の個数をPnとすると
0.812<Pn/n^log2/log3<1
となるのだそうだ.
0.812・n^log2/log3<Pn<n^log2/log3
log2/log3
はフラクタル次元である.
はじめのn行に現れる奇数と偶数の合計はn(n+1)/2≒n^2/2
であるから,奇数の比率Qnは
1.624・n^log2/log3-2<Qn<2・n^log2/log3-2
となって,はじめのn行でみてもn→∞のとき,奇数と偶数の比は0に近づくのである.
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【1】シェルピンスキーの三角形とパスカルの三角形
係数が奇数である場合にそのセルを黒,偶数である場合にそのセルを白くするとセルオートマトンの規則90
Ci(t+1)=Ci-1(t)+Ci+1(t) (mod2)
で与えられるようなネスト型の三角形パターンを生成する.このパターンはシェルピンスキーの三角形と呼ばれるモザイク模様である.
シェルピンスキーの三角形はフラクタル図形で,正三角形の各辺の中点をつないで,4つの小正三角形に分割し、真ん中を取り去り,残った3つの正三角形を同じように4つに分割して各々真ん中の三角形を取り去って,また分割していく動作を無限に繰り返してできる図形である.
n=2^k−1,すなわち,1,3,8,15,31,・・・5,のとき,nCmは奇数である段が出来あがる.すると,
n+1Cm=nCm-1+nCm
により,n=2^kのとき,nCmは偶数となる.
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シェルピンスキーがこの三角形を発見したのは1915年である.この事実は,パスカルの三角形にはまだ新たな発見があり得ることを示している.
係数が3で割り切れないとき場合にそのセルを黒くする,係数が4で割り切れないとき場合にそのセルを黒くする,係数が5で割り切れないとき場合にそのセルを黒くする,・・・という作業を続けてた場合も左右対称なモザイク模様が現れる.
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