■乙部融朗遺稿集(その13)
この2日間で,乙部融朗遺稿集をほぼ解読することができた.4次元準正多胞体の大域幾何学・局所幾何学とも正確な値が計算されていて驚かされた(わずかに間違いがあるが,計算違いというよりミスプリントだろう).
わからないのは4次元準正多胞体の構成法である.局所を先に構成してそのあとで全体を構成していく方法のように感じられる.射・葉・吊がそれぞれ頂点に集まる1・2・3次元面数である.
一方,石井源久先生の構成法は全体を先に構成していく方法で解析幾何学的,それに対して乙部融朗先生の方法はトポロジカルに感じられる.
乙部先生が5次元以上についての大域・局所幾何学を著した形跡はみられないが,氏のオリジナルと思われるのは,3次元の角柱に相当する平行胞の他に,4次元特有のa−b柱を構成している点である.
その記述のおかげで5次元離散幾何学をわずかに前進させることができた.多くの学徒に資するために,印刷物として残しておきたい.
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