■乙部融朗遺稿集(その3)

 4次元正多胞体については局所幾何学について考えていたことが窺われる記述が確認できた.以下に,コラム「置換多面体の空間充填性」(その273)−(その276)の記述を示す.

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[1]{3,3,3}(1000)

  頂点に集まるファセットは{3,3}(100)4個

  頂点に集まる2次元面は{3}(10)x個

  頂点に集まる1次元面は{}(1)y個

 頂点次数は4あるからy=4.頂点数4,面数4の3次元図形を考えると四面体であるから,辺数は6.→x=6

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[2]{3,4,3}(1000)

  {3,4}(100)6個

 6面からなる図形で,頂点次数は8であるからその頂点数は8である.これは立方体と思われ,その辺数は12である.

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[3]{3,3,4}(1000)

  {3,3}(100)8個

 8面からなる図形で,頂点次数は6であるからその頂点は6である.これは正八面体と思われ,その辺数は12である.

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[4]{3,3,4}(0001)

  {3,4}(001)4個は(4,4,4)

 4面からなる図形で,頂点次数は4であるからその頂点数は4である.これは正四面体と思われ,その辺数は6である.

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[5]{3,3,5}(1000)

  {3,3}(100)20個

 20面からなる図形で,頂点次数は12であるからその頂点数は12である.これは正二十面体と思われ,その辺数は30である.

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[6]{3,3,5}(0001)

  {3,5}(001)4個は(5,5,5)

 4面からなる図形で,頂点次数は4であるからその頂点数は4である.これは三角錐と思われ,その辺数は6である.

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[まとめ]射・葉・吊がそれぞれ頂点に集まる1・2・3次元面数であると思われる.5次元以上についての大域・局所幾何学を著した形跡はみられない.

 なお,コラム「置換多面体の空間充填性」(その273)−(その276)では4次元準正多胞体についても完全な解が得られている.

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