■切稜立方体(その6)

 中川宏さんよりメール.Chamfered cubeで検索したところ,Wikipedia

  https://en.wikipedia.org/wiki/Chamfer_(geometry)

に新しい記事をみつけたとのこと.

 コンウェイ博士が2008年に出版した「The symmetries of Things」のなかで,多面体変形操作の一つとしてChamferを定義し,切稜立方体はConway notation(cC)とよばれるようになっているようです.

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 まずはおさらいから.多面体木工では切頂,切稜を施すことによって立方体から多面体を切削していくのであるが,その間,安定な足場で支持することが危険回避にとって重要となる.

 たとえば,正四面体を製作する場合,4個の直角三角錐を切り取るのであるが,それでは安定な足場を確保することができない.そのため,

[1]立方体を面取りして,切稜立方体にする.

[2]それを足場として正四面体をつくる.

という2段階の行程が必要となる.

 しかし,それによって多面体木工の幅が広がり,多種類の多面体を安全に作れるようになったのである.

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 いまではコンウェイが切稜に着目して多面体を再編してくれているが,これまで切稜はなぜ注目されることはなかったのだろうか?

 正多面体から準正多面体を作る場合,

[1]切頂だけでできる準正多面体(切頂型)はたくさんある.

のに対して

[2]切稜だけでできる準正多面体は皆無である.

すなわち,切頂および切稜の両方を施さなければならない(切頂切稜型).

 しかし,それは切稜の非優位性を示しているのではない.前述したように,木工多面体製作ではまず切稜,つぎに切頂なのである.

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