■判別式(その4)

[Q]sに関する3次方程式

  s^3+xs^2+ys+1=0

が1つの実数解と1組の重根をもつ範囲を図示せよ.

 この問題はシェイプ・パラメータ(x,y)の位置によって,いろいろなバリエーション,たとえば,

  xs^3+ys^2+s+1=0

  xs^3+s^2+ys+1=0

  xs^3+s^2+s+y=0

  s^3+xs^2+s+y=0

  s^3+s^2+xs+y=0

などが可能になる.

 しかし,それよりも興味があるのは,

  4x^3+4y^3−x^2y^2−18xy+27=0

の媒介変数表示

  x=1/t^2−2t,y=t^2−2/t

  x=(1−2t^3)/t^2,y=(t^4−2t)/t^2

がどのようにしてなされたものなのかということである.

 三角関数が関係していることはすぐに浮かんでくるが,そのような逆問題を解くことは簡単ではない.そこで,・・・

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 もとの3次方程式

  s^3+xs^2+ys+1=0

が1つの実数解と1組の重根をもつわけであるから,

  (s−a)(s−b)^2=0

  s^3−(a+2b)s^2+b(2a+b)s−ab^2=0

  ab^2=−1

  x=−a−2b=1/b^2−2b

  y=2ab+b^2=−2/b+b^2

なるパラメータ表示が可能になるというわけである.

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